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LDLコレステロールとは?基準値の見方と健康診断で注意したいポイント

LDLコレステロールとは?

LDLコレステロールテスト

LDLコレステロールは、“悪玉”と呼ばれていますが、LDLコレステロール自体が悪いわけではありません。
体内で重要な役割を果たす脂質の一種です。私たちの体の細胞が必要とするコレステロールを運ぶ働きをしていますが、過剰になると健康に悪影響を及ぼすことがあります。ここでは、LDLコレステロールの役割と、コレステロールの善玉と悪玉の違いについて解説します。

コレステロールの善玉と悪玉の違い

コレステロールには、「善玉コレステロール(HDL)」 と 「悪玉コレステロール(LDL)」 の2種類があります。

悪玉コレステロール(LDL)は、体内でコレステロールを運ぶ役割を担っていますが、過剰になると血管にコレステロールを蓄積し、動脈硬化を引き起こします。これが「悪玉」と呼ばれる所以です。

善玉コレステロール(HDL)は、血管に溜まった余分なコレステロールを肝臓に運び、排出する役割を果たしています。
このため、HDLは血管を守る働きがあり、「善玉コレステロール」と呼ばれます。

 

LDLコレステロールの
基準値

LDLコレステロールは、基準値を超える、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まるため、定期的な検査と適切な管理が必要です。ここでは、LDLコレステロールの正常値、年齢別・性別で異なる基準値、異常値の範囲について解説します。

LDLコレステロールの正常値は?

LDLコレステロールの正常値は、おおむね140mg/dL未満とされています。
この値が目安となり、健康な範囲として考えられています。
ただし、個々の健康状態やリスクによっては、より低い値を目指すことが推奨される場合もあります。
例えば、心血管疾患のリスクが高い人は、100mg/dL未満を目標にすることが一般的です。

年齢別・性別で異なる基準値

LDLコレステロールの基準値は、年齢や性別によって異なることがあります。
例えば、女性は閉経後にLDLコレステロール値が上昇する傾向があり、男性は比較的若い頃から高めの値を示すことがあります。
また、年齢が上がるにつれて、正常値の範囲も少しずつ変動します。
若年層では100〜130mg/dL、中高年層では120〜160mg/dLの範囲が一般的です。

LDLコレステロールの異常値とその範囲

LDLコレステロールが基準値を超えると、動脈硬化や心疾患のリスクが高くなります。
異常値には以下の範囲があります。

  • • 正常範囲: 100〜140mg/dL
  • • 軽度の異常: 140〜160mg/dL
  • • 中度の異常: 160〜190mg/dL
  • • 重度の異常: 190mg/dL以上

LDLコレステロールが高い場合、生活習慣の見直しや治療が必要です。

 

LDLコレステロールの
健康への影響

LDLコレステロールは、適切な範囲であれば問題ありませんが、過剰に増えると動脈硬化や心疾患、脳卒中などの重大な病気と関連しています。ここでは、LDLコレステロールが引き起こす健康への影響について詳しく見ていきましょう。

LDLコレステロールが引き起こす動脈硬化のリスク

LDLコレステロールが過剰になると、血管内にコレステロールが蓄積し、動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化は血管の壁が厚くなり、血管が硬くなる状態で、血流が滞りやすくなります。
この状態が続くと、血液が心臓や脳に十分に送られなくなり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすリスクが高まります。

心疾患や脳卒中のリスク

LDLコレステロールが高いと、心疾患や脳卒中のリスクが増加します。
LDLが血管内に蓄積されると、血管が狭くなり、血流が悪化します。
その結果、心臓や脳への血液供給が不十分になり、心筋梗塞や脳梗塞の原因となることがあります。
特に、LDLが高い状態が長期間続くと、これらの疾患を引き起こす可能性が高くなります。

糖尿病の重症化リスク

LDLコレステロールは、糖尿病とも関連しています。
糖尿病の患者は、インスリンの作用が低下するため、血糖値が高くなり、血液中の脂質が異常をきたすことがあります。
このような状態では、LDLコレステロールが増加しやすく、動脈硬化の進行が早まることが知られています。
また、糖尿病患者では、血糖値のコントロールとともに、LDLコレステロールの管理も重要です。

 

健康診断結果からわかる
受診が必要なケース

コレステロール

健康診断の結果を見て、LDLコレステロールやHDLコレステロールの数値が基準値と合わない場合、早めに対応することが重要です。
数値が基準値を超えていると、健康リスクが高まる可能性があります。以下に、受診が必要なケースについてご説明します。

LDLコレステロールが基準値を超えている場合

LDLコレステロールが基準値を超えている場合、動脈硬化や心血管疾患のリスクが高くなります。
もし健康診断でLDLが高い結果だった場合、放置せずに早めに当院で検査を受けていただくことをお勧めします。
状態に応じて、生活習慣の見直しや治療方法について一緒に考え、適切な対応を行いましょう。

HDLコレステロールが低い場合

HDLコレステロールは、血管を守る重要な役割を果たしています。もしHDLが低い場合、動脈硬化が進行しやすくなります。
そのため、当院での相談をお勧めします。生活習慣の改善方法や、必要な検査を通じて、HDLコレステロールを健康的な範囲に保つための具体的な対策をご提案させていただきます。

 

LDLコレステロールを
正常に保つ方法

健康的な食事

食生活を改善してLDLコレステロールを下げる方法

食生活の改善は、LDLコレステロールを下げるために非常に効果的です。
特に、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を減らし、食物繊維を豊富に摂取することが重要です。
野菜や果物、全粒穀物、魚を中心にした食事を心がけましょう。
また、オリーブオイルやナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを減らす助けになります。
食生活を見直すことで、LDLコレステロールを効果的に管理できます。

運動や禁煙でLDLコレステロールをコントロール

運動習慣を持つこともLDLコレステロールを正常に保つためには欠かせません。
週に150分程度の有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)を取り入れることで、LDLコレステロールを下げ、HDLコレステロールを増やすことができます。
さらに、禁煙も重要です。喫煙はLDLコレステロールを増加させ、血管に対して悪影響を与えるため、禁煙することで健康を大きく改善できます。