診療時間

外来担当医表

不整脈|中野の内科【新中野なべよこ内科】

 

不整脈とは

不整脈のイメージ画像

心臓は電気信号によって規則正しく動いていますが、この電気の流れに乱れが生じ、脈が速くなったり遅くなったり、飛んだりする状態を「不整脈」といいます。不整脈は一時的なものから、命に関わる深刻なものまで幅広く存在します。

症状がまったくない方もいれば、動悸、息切れ、胸の違和感、失神などを起こす方もいます。不整脈には軽度なものもありますが、脳梗塞や心不全などのリスクにつながるケースもあるため、早めの受診が大切です。

このような症状がある方はご相談ください

医師と患者が手を繋いでいる画像

  • 動悸や胸のドキドキを感じる
  • 脈が飛ぶ、速い、遅い、不規則
  • 息切れやめまい、立ちくらみがある
  • 一時的に失神したことがある
  • Apple Watchなどで「不規則な心拍」の通知が出た

不整脈の種類

不整脈は大きく3つに分類されます。それぞれで治療方針が異なるため、正確な診断が重要です。

期外収縮(脈が飛ぶ)

本来のリズムと異なる場所から電気が出ることで脈が一拍飛ぶように感じる状態です。多くは治療不要ですが、頻度が多い場合や心疾患がある場合には治療対象となります。

頻脈性不整脈(脈が速い)

  • 心房細動、心房粗動
  • 発作性上室性頻拍
  • 心室頻拍、心室細動

脈が速くなり、動悸や息切れ、時には失神や突然死の原因となることもあります。

徐脈性不整脈(脈が遅い)

  • 洞不全症候群
  • 房室ブロック

脈が遅くなることで、脳への血流が減り、倦怠感や失神を引き起こします。

当院で行う不整脈の検査

不整脈の正確な診断には、状況や症状に応じた多様な検査が必要です。当院では以下のような検査を行っています。

・12誘導心電図

 診察室で行う標準的な心電図検査です。脈の乱れ、心室肥大、虚血性変化などを数分で確認でき、不整脈の有無を判断します。

・ホルター心電図

 小型の心電計を装着して24時間連続で記録。不整脈の出現タイミングや頻度、日常生活中での変化を詳しく調べます。症状との関連性も把握しやすく、夜間の発作や見逃しがちな異常も捉えることができます。

・心臓超音波検査(心エコー)

 心臓の形や大きさ、弁の動き、収縮力などをリアルタイムに評価。不整脈の背景に心筋症や弁膜症などの器質的異常が隠れていないかを調べ、全体的な心機能を確認します。

Apple Watchによる不整脈検知にも対応

Apple Watchの不整脈通知の画像

Apple Watchから「不規則な心拍」の通知を受けたら、循環器専門医の診察をおすすめします

近年、Apple Watchをはじめとしたスマートウォッチの普及により、日常生活の中で心拍数や心電図を測定し、不整脈の兆候を把握できるようになってきました。特にApple Watchは、家庭用医療機器として厚生労働省の承認を受けた心電計プログラム・心拍数モニタプログラムを搭載しており、「不規則な心拍」や「心房細動の疑い」などの通知を通じて、潜在的な心疾患を早期に捉えることが可能です。

Apple Watchの通知は“診断”ではありませんが、受診のきっかけとして非常に重要です

Apple Watchが示す「心房細動の可能性」や「高心拍数」「低心拍数」「判定不能」などの通知は、必ずしも不整脈があるという確定診断ではありません。しかし、実際に通知をきっかけに心房細動が見つかり、早期治療につながった症例は国内外で多数報告されています。

例えば、42万人以上が参加したApple Heart Study(米国)では、Apple Watchが「心房細動の可能性あり」と判断した場合、陽性的中率は約84%という結果が出ており、一定の信頼性が認められています。

心房細動は、本人が症状を自覚しないまま進行し、突然の脳梗塞や心不全の原因になることもある「サイレントリスク」です。そのため、たとえ症状がなかったとしても、Apple Watchで通知が出た場合には一度診察を受けることを強くおすすめします。

新中野なべよこ内科の「Apple Watch外来」とは?

当院では、Apple Watchをご利用の方を対象とした「Apple Watch外来」を設けています。通知や心電図の記録をもとに、循環器専門医が専門的な視点から診断・治療の必要性を判断し、必要に応じて検査や治療につなげます。

他のスマートウォッチをご利用の方も受診可能です

Apple Watch以外のスマートウォッチ(Fitbit、Galaxy Watch、Garminなど)でも、心拍異常の通知や心電図測定機能がある場合には、同様に不整脈の可能性があるサインとなります。当院のApple Watch外来では、機種を問わず受診が可能です。通知が出た、心拍数に違和感がある、データに不安があるという方は、お気軽にご相談ください。

当院で行う不整脈の治療

治療を行う内科医の写真

不整脈の治療は、症状の有無や不整脈の種類、頻度、合併疾患の有無によって治療方針が異なります。当院では、検査結果と患者様の体調・ライフスタイルをふまえ、一人ひとりに合わせた最適な治療をご提案しています。

薬物療法

不整脈の種類に応じて、以下の薬を使い分けながら症状のコントロールと合併症の予防を行います。

抗不整脈薬

脈のリズムを正常化させる薬です。頻繁に期外収縮がある場合や、発作性上室頻拍、心房細動に対して使用されます。

β遮断薬

交感神経の興奮を抑え、心拍数を安定させる効果があり、動悸の軽減に有効です。

抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)

特に心房細動がある方は、心房内に血栓ができやすくなり脳梗塞のリスクが高まるため、ワーファリンやNOAC(直接作用型抗凝固薬)を用いて脳梗塞の予防を行います。

カテーテルアブレーション

原因となる異常な電気信号の発生部位を特定し、カテーテルを用いてその部分を焼灼(アブレーション)することで、根本的な治療を目指す方法です。

・主に心房細動、発作性上室頻拍、心室頻拍などが適応となります。

・高い治療成功率を誇り、薬に頼らず根治が目指せる点が特徴です。

・当院では、必要に応じて連携医療機関での治療をご案内いたします。

生活習慣の改善も治療の一環です

不整脈は生活習慣とも深く関わっており、以下のような改善が治療効果を高める助けとなります。

  • 塩分の摂取を控える
  • 禁煙・節酒
  • カフェインや刺激物の摂取制限
  • 十分な睡眠とストレス管理
  • 栄養バランスの良い食事(カリウム・マグネシウム・ビタミンB群など)

当院では、医師と管理栄養士が連携して生活指導もサポートしています。

よくある質問(Q&A)

  1. Q1.健康診断で不整脈を指摘されましたが、症状がありません。それでも受診すべきですか?

  2. A.はい。症状がなくても心房細動のような治療が必要な不整脈が潜んでいることがあります。一度の検査では見つからないこともあるため、早期の精密検査が重要です。
  1. Q1.Apple Watchで「心房細動の可能性」と出ました。すぐ病院に行くべきですか?

  2. A.可能性がある通知は「診断」ではありませんが、心房細動は脳梗塞の原因になりうるため、できるだけ早めに循環器専門医の診察を受けてください。
  1. Q1.薬をずっと飲み続けないといけませんか?

  2. A.不整脈の種類や重症度によって異なりますが、薬で症状が安定すれば、カテーテル治療や生活改善により中止できる場合もあります。医師と相談しながら判断していきましょう。

不整脈は“静かなリスク”とも言われる病気です。些細な異変でも、「おかしいな」と感じたら、遠慮なくご相談ください。新中野なべよこ内科では、循環器専門医が丁寧な診療を行い、早期発見と適切な治療をサポートしています。