診療時間

外来担当医表

ブログ

糖尿病の尿の特徴とは?色・におい・回数の変化について解説

 

糖尿病ってどんな病気?

糖尿病検査

 

糖尿病は、血糖値が高い状態が続く病気です。
食事でとった糖を体のエネルギーに変える役目をもつ「インスリン」の量が足りない、または働きが弱いことで起こります。 結果として血液中に糖があふれ、全身の血管や臓器に負担がかかります。

糖尿病は血液検査で見つかることが多く、血糖値またはHbA1c(過去1〜2か月の平均血糖の目安)が基準値以上のときに糖尿病が疑われます。

  • • 空腹時の血糖値:126mg/dL以上
  • • 食後(または随時)の血糖値:200mg/dL以上
  • • HbA1c:6.5%以上

糖尿病は主に1型と2型に分けられます。

  • • 1型糖尿病:インスリンを作る細胞が働かなくなるタイプ
  • • 2型糖尿病:生活習慣や体質が関係し最も多いタイプ

血糖が高い状態が続くと、腎臓・目・神経・心血管などに合併症が出やすくなります。
腎臓では尿たんぱく(アルブミン)が見つかる、むくみや血圧上昇が続く、といった変化が見られることがあります。

 

糖尿病の尿に見られる
主な特徴

糖尿病では、色・におい・泡立ち・回数や量など、尿の見た目や出方に変化が出ることがあります。
気づいた変化を手がかりに、体の状態を確認しましょう。

色の変化(濃い・薄い・濁るなど)

  • • 濃い黄色:水分不足や血糖が高い状態で水分が奪われ、尿が濃く見えることがあります。
  • • 透明に近い状態が続く:のどの渇きで水分を多くとり、排尿が増えると薄い色が続くことがあります。
  • • 濁って見える:糖が尿に混ざる、尿路の炎症などで白っぽく濁ることがあります。
  • • 赤・茶色:糖尿病だけが原因ではありません。結石や感染、出血など他の病気でも起こるため、早めの受診が安心です。

においの変化(甘い・酸っぱい)

  • • 甘いにおい:尿に糖が混ざると、甘い・甘酸っぱいにおいを感じることがあります。
  • • つんとするにおい:水分不足や感染でもにおいは強くなります。

泡立ち

  • • 泡が立ちやすい:血糖が高いと尿の量や勢いが増え、泡が立ちやすくなります。
  • • 泡が消えにくい:細かい泡が1分以上残る/毎回続くときは、尿たんぱく(尿アルブミン)の関与が考えられ、腎臓への負担を示す手がかりになります。

回数・量の増加

  • • トイレが近い:血糖が高い状態では、体が余った糖を尿で外に出そうとして水分も一緒に失うため、尿の回数が増えやすくなります。水分やカフェインのとり過ぎでも回数は増えますが、摂取量を控えても続く頻尿は糖尿病のサインのことがあります。
  • • 夜何度も起きる:就寝中も血糖が高いと尿が作られ、夜に何度もトイレで起きるようになります。寝る前の水分を控えても毎晩2回以上が続く場合は、高血糖の影響と考えられます。前立腺や睡眠の問題でも起こるため、血糖と尿検査での確認を行いましょう。
  • • 一回の量が多い:余分な糖を出すときに腎臓で水分が多く引き出されるため、一回の尿量が多いと感じやすくなります。回数だけでなく量も多い状態が続く場合は、糖尿病による多尿の可能性があります。
  •  

尿の異常を放置すると
どうなる?

尿検査

 

尿の色・におい・泡立ち、回数や量の変化が続く背景には、糖尿病による高い血糖や、尿路の炎症などが隠れていることがあります。放置すると、体から水分が奪われて脱水が進み、のどの渇きやだるさが強くなります。血糖が高い状態が続くと、腎臓に負担がかかり、尿たんぱく(アルブミン)が出やすくなり、腎機能の低下につながることがあります。長く放っておくと、神経や目、心血管にも影響が広がり、生活の質が下がります。

また、赤や茶色の尿は、糖尿病だけでなく結石や感染、出血が原因のこともあります。発熱や腰背部の痛み、排尿時の痛みを伴う場合は、腎盂腎炎などの可能性があり、受診が必要です。また、強い口の渇き、吐き気、息が荒い、意識がぼんやりするなどの急な体調不良を伴うときは、危険な状態の兆候である可能性があります。

 

尿の変化を感じたら
どうすべき?

尿の色・におい・泡立ち・回数や量に変化が続くときは、原因を確認しましょう。

自宅でできるチェック方法

まずは3日ほど同じ条件で観察します。起床後すぐと日中の2回、コップに取り、色(濃い/薄い/赤・茶色)・濁り・泡の残り方・においをメモしましょう。
水分が足りないと色は濃くなるため、こまめな水分補給をしつつ記録すると変化が見えやすくなります。

次に、トイレの回数と一回の量を大まかに数えます。
夜間に何度も起きる、日中の回数が増えた、一回量がいつもより多いと感じる、といった点も記録しましょう。

あわせて、のどの渇き・だるさ・体重の変化がないかも確認してください。

においは、甘い/甘酸っぱい印象が続く場合は尿に糖が混じっている可能性があり、泡が毎回長く残るときはたんぱくの影響が考えられます。いずれもにおい・泡だけで判断はできないため、記録をもって受診すると診察がスムーズです。

受診の目安

1週間ほど観察しても変化が続く、または赤・茶色の尿が出た場合は、放置せず受診してください。
発熱・腰や背中の痛み・排尿時の痛みがあるときは感染症の可能性があります。
さらに、強いのどの渇き・トイレが極端に多い・体重が落ちる・強いだるさが重なるときは、血糖の異常が疑われます。
これらは受診の目安になります。
当院では、血糖・HbA1c・尿糖・尿アルブミン・ケトン体などを組み合わせて原因を確認し、生活に合わせた管理方法をご説明します。

 

糖尿病かも?とお悩みの方は
「新中野なべよこ内科」へ

尿

尿の色・におい・泡立ち・回数の変化が続く、糖尿病の尿の特徴が気になる――そんな方は当院にご相談ください。
問診で生活の様子や気になる症状をうかがい、血糖・HbA1c・尿糖・尿アルブミン・ケトン体などを組み合わせて、変化の原因を丁寧に確認します。
結果は数値でお伝えし、食事や運動、薬の使い方まで生活に合わせた治療計画をご提案します。
尿の変化は体からのサインです。迷ったままにせず、まずは検査で今の状態を把握しましょう。