高血圧で起こる頭痛はどんな痛み?
中野にある「新中野なべよこ内科」です。
高血圧の方から「頭痛がするけれど血圧と関係があるのか?」というご相談をよくいただきます。
実は高血圧による頭痛には特徴があり、放置すると脳卒中など重い病気につながることもあります。
この記事では、高血圧による頭痛の特徴や症状、受診の目安についてわかりやすく解説します。
高血圧と頭痛の関係とは?
高血圧は「沈黙の病気」とも呼ばれ、多くの場合は症状が出にくいのが特徴です。
しかし血圧が大きく上がったときや急激に変動したときには、頭痛として現れることがあります。
これは、血圧の上昇によって脳の血管に負担がかかり、血流が一時的に不安定になるためです。
また、常に高い血圧が続くと血管が硬くなり、ちょっとした刺激でも頭痛を感じやすくなることがあります。
特に朝方や起床時に頭痛が起こりやすいのも、高血圧の方に見られる特徴です。
「いつもの頭痛だから大丈夫」と自己判断してしまうと、重大な病気のサインを見逃すことにつながりかねません。
高血圧と頭痛の関係を正しく理解し、必要に応じて早めの受診を心がけることが大切です。
高血圧で起こる頭痛はどんな痛み?
痛みの出やすい部位
-
高血圧による頭痛は、血管にかかる圧力や血流の変化によって起こるため、特定の部位に違和感を覚えることが多いです。
こめかみ
こめかみのあたりにズキズキと脈打つような痛みを感じることがあります。
血圧が高くなると血管が広がり、拍動に合わせて痛みを感じやすくなるためです。
後頭部
首の後ろから後頭部にかけての重だるい痛みは、高血圧による頭痛でよく見られる症状です。
特に朝起きたときに感じやすく、血圧が夜間から朝方にかけて上昇する影響が関係しています。
目の奥
血圧が高くなると目の奥に圧迫感や痛みを感じることがあります。
視神経やその周囲の血流が影響を受けやすく、視界のかすみを伴う場合は注意が必要です。
痛みの種類
高血圧による頭痛は、痛み方にも特徴があります。
次のようなタイプに分けられることが多く、ご自身の症状を確認する目安になります。
ズキズキとした痛み
血管の拍動に合わせて脈打つように痛むのが特徴です。
特にこめかみや目の奥に出やすく、血圧が急激に上がったときに現れることがあります。
締め付けるような感覚
頭全体、または後頭部をきつく締め付けられるように感じるタイプです。
長時間続くこともあり、血管や筋肉への負担が関係しています。
重いだるさを感じる
鈍い痛みや頭が重いような違和感が続くのも、高血圧による頭痛の一つです。
特に朝起きたときや疲労時に目立ち、集中力の低下を招くこともあります。
どんな状況で起きやすいか
-
高血圧による頭痛は、血圧の変動や体への負担が大きくなる場面で現れやすい傾向があります。
-
起床時
朝の起床時は血圧が上がりやすく、高血圧の方は頭痛を感じることがあります。
特に後頭部の重だるさが目立ちやすく、寝不足や睡眠時無呼吸症候群が関係している場合もあります。 -
緊張時
仕事や人間関係などで強いストレスを感じると、自律神経の働きによって血圧が急に上昇し、こめかみや頭全体に締め付けられるような頭痛が出ることがあります。
-
飲酒後
アルコールは血圧を上げる作用があり、飲酒後に頭痛を引き起こすことがあります。
二日酔いによる頭痛との区別がつきにくいですが、高血圧を抱えている方は血圧変動による痛みである可能性も考えられます。
他の頭痛との違い
-
頭痛にはさまざまな種類があり、高血圧による頭痛と区別がつきにくいこともあります。
- 片頭痛:片側のこめかみがズキズキと脈打つように痛み、光や音に敏感になることがあります。吐き気を伴うことも多いです。
- 緊張型頭痛:頭全体や後頭部をきつく締め付けられるような痛みが特徴で、長時間のデスクワークやストレスが原因になることが多いです。
- 高血圧による頭痛:後頭部やこめかみ、目の奥に重だるさや圧迫感を感じることが多く、特に起床時や血圧が急に上がったときに目立ちます。
これらは症状が似ているため自己判断は難しく、「普段と違う頭痛」「強い痛み」「血圧の急上昇を伴う頭痛」がある場合には、早めに医師にご相談ください。
高血圧による頭痛を放置した場合に
起こるリスク
-
高血圧による頭痛を「ただの疲れやストレスのせい」と考えて放置してしまうと、思わぬ重大な病気につながる可能性があります。
以下のようなリスクには特に注意が必要です。
脳卒中や脳出血につながる危険性
-
長い間高血圧が続くと、脳の血管に強い負担がかかり、血管が破れやすくなったり、詰まりやすくなったりします。
その結果、脳卒中や脳出血を引き起こす危険性が高まります。
頭痛はその前触れのサインとなる場合があるため、見逃さないことが大切です。
高血圧性脳症のリスク
-
血圧が急激に上昇した場合に起こる「高血圧性脳症」では、強い頭痛に加えて、視力障害・吐き気・けいれん・意識障害といった重い症状を伴うことがあります。これは命に関わる緊急事態であり、頭痛を軽く考えるのは非常に危険です。
日常生活に与える影響
-
慢性的な頭痛が続くと、集中力の低下や睡眠の質の悪化を招き、仕事や学業、生活の質に大きく影響します。
「大きな病気ではないから」と放置してしまうと、日常のパフォーマンスまで落としてしまう可能性があります。
危険な頭痛の見分け方と受診の目安
-
高血圧に伴う頭痛の中には、緊急対応が必要なものもあります。
危険なサインを見逃さないよう、以下の基準を参考にしてください。 -
血圧の目安値
-
一般的に、収縮期血圧が210mmHg以上、または拡張期血圧が120mmHg以上のときは危険な状態とされます。
こうした異常な数値を伴う頭痛がある場合は、すぐに受診することが重要です。
普段より極端に高い血圧を示しているときも注意が必要です。
頭痛と一緒に出る危険な症状
-
頭痛に加えて次のような症状がある場合は、ただの疲れや片頭痛ではなく、脳の病気が隠れている可能性があります。
- ・手足のしびれや力が入らない
- ・視力が急に落ちる、物が二重に見える
- ・言葉が出にくい、ろれつが回らない
- ・強い吐き気や嘔吐
- ・意識がぼんやりする、もうろうとする
救急受診が必要なケースと、早めに外来を受診すべきケース
-
- 救急受診が必要なケース:急激な頭痛の悪化、210/120mmHgを超える血圧、意識障害やけいれんを伴う場合。
- 早めに外来を受診すべきケース:朝方の頭痛が続く、鎮痛薬を飲んでも改善しない、生活に支障が出ている場合。
いずれの場合も「放置せず相談すること」が大切です。特に高血圧を指摘されている方は、頭痛を自己判断せず医師にご相談ください。
-
自宅でできる対処法
-
高血圧による頭痛は、すぐに受診が必要なケースもありますが、軽度の場合にはご自宅でできる工夫が役立つこともあります。
以下の方法を参考にしてください。 -
安静にする
-
まずは静かな環境で横になり、体を休めましょう。
緊張やストレスが血圧上昇につながるため、リラックスできる状態を整えることが大切です。
水分補給・塩分摂取の見直し
-
脱水は血圧を不安定にし、頭痛を悪化させる原因となります。こまめな水分補給を心がけましょう。
また、普段から塩分を摂りすぎていると血圧が上がりやすいため、加工食品や外食の味付けを見直すことも大切です。
市販薬の使用と注意点
-
頭痛が強いときは、市販の鎮痛薬で一時的に和らぐ場合があります。
ただし、自己判断での過剰な服用は逆効果になることもあるため注意が必要です。特に高血圧の方は、薬の種類によって血圧に影響することもあるため、服用前に医師や薬剤師にご相談ください。
生活習慣の改善
-
根本的な予防には生活習慣の見直しが欠かせません。
- ・減塩(1日6g未満を目安に)
- ・定期的な運動(ウォーキングなど無理のないもの)
- ・十分な睡眠
- ・禁煙・節酒
-
-
これらは血圧を安定させるだけでなく、頭痛の再発予防にもつながります。
高血圧による頭痛でお悩みの方は
「新中野なべよこ内科」へ
-
高血圧による頭痛は、放置すると脳卒中や脳出血など重大な病気につながることがあります。
「ただの頭痛」と思って自己判断してしまう前に、医師に相談することが大切です。新中野なべよこ内科では、血圧測定や血液検査などを行い、頭痛の原因を丁寧に確認します。
「最近、起床時に頭痛がある」「血圧が高く頭痛が気になる」といったお悩みをお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
患者様一人ひとりに合った治療や生活改善のサポートをご提案しています。
早めの受診が安心につながります。